
「トランプ起訴」ってなんなん?
アメリカ・ニューヨーク州の大陪審は3月30日、トランプ前大統領を起訴しました。大統領経験者の起訴はアメリカ史上初めて。
起訴についてトランプや共和党は激しく反発。トランプは法廷で争いながら、次期大統領候補として選挙戦を続けることになります。







起訴の内容
トランプは2006年ごろに元ポルノ女優のストーミー・ダニエルズと不倫関係にあったとされます(トランプは否定)。
2016年の大統領選挙中、選挙への悪影響を懸念したトランプは、側近で顧問弁護士だったマイケル・コーエンを通じてダニエルズに13万ドル(約1700万円)の口止め料を支払いました。
支払いはコーエンが肩代わりしました。
この口止め料に関しては2018年に明らかになり、コーエンは有罪を認めました。
アメリカには「現職大統領は訴追しない」という決まりがあり、この時はトランプの刑事責任が問われることがありませんでした。
口止め料自体は違法ではありません。
しかし、トランプは大統領に就任したあとに、11回にわけて13万ドルをコーエンに返済。この返済を「弁護士費用」として計上したことが、ニューヨーク州の州法で禁じる「虚偽記載」にあたる疑いがもたれています。
起訴されても大統領立候補は可能
トランプは声明を出し「史上最高レベルの政治的迫害と選挙妨害だ」と反発。
起訴されても大統領選への立候補は可能です。
「推定無罪」の原則があるので起訴の段階では制限はないうえ、仮に有罪になっても法律上、立候補をはばむ明確な規定がありません。
トランプは起訴されても大統領への復権のをあきらめておらず、むしろ起訴を逆手にとって支持者の結束を図ろうと、過激な検察批判を繰り広げています。
ただし、今回の「口止め料支払い疑惑」の他にも、
- 2020年大統領選挙への介入疑惑
- 2020年大統領選後の権力移行を妨害した疑惑
- 機密文書を自宅に持ち帰った疑惑
が捜査中。これらの結果次第ではどうなるか…